患者さまの意思決サポートにおける効果的なコミュニケーションとは

こんにちは! 宮地 理津子です。

11月15日、ロサンゼルスのUCLA  School of  Dentistryにて、「患者さまの意思決定サポートにおいての効果的なコミュニケーションとは」のレクチャーを行いました。

トピックスは、マップ・コミュニケーションとマップ・スタイルのプログラムから抜粋し、

・どのようにしたら患者さまと良好な関係性を築けるのか

・コミュニケーションスタイルの違う相手への効果的なコンサルテーションの方法などを紹介しました。

UCLAは本当の意味でダイバーシティ=多様性な環境です。単にいろいろな国籍や言語という意味にとどまるのではなく、個の価値観、生活様式、大切にしていること、ものの見方や考え方、etc. それらをお互いに理解し尊重していこうという姿勢がないと何事も進んでいきません。

まさに、コミュニケーションを通してその人との関係性作りがスタートします。

このコミュニケーションを効果的に出来るか・出来ないかがその人のパフォーマンスの結果にそのまま影響するといっても過言ではありません。

ロサンゼルスに滞在してとても感じることは、大学、レストラン、銀行そしてスーパーマーケットにおいてまで、そこで働いているスタッフの人からは、「まずは相手を知ろう!」という姿勢がとても伝わってきます。相手は自分とは違う。という視点からスタートしているだと思います。相手の言いたいこと、伝えたことは何なのか?というアンテナが立った状態でコミュニケーションがスタートしているようです。

ここは日本と大きく違うな!と感じる部分です。

日本では、良い意味でも悪い意味でも「言わなくても分かる。」的文化があるので、価値観や視点、考え方が近い人とのコミュニケーションにおいてはとてもスムーズな流れに乗って物事が進んでいきますが、そうでない人とは齟齬の連続、ときにはせっかく大切に築いてきた関係性までもが崩れてしまうケースもあります。

日本においても、一人ひとりが本当の意味でのダイバーシティ=多様性の感性を磨いていくことが求められているのではないでしょうか。

「相手は自分とは違うかも。」「まずは相手のことを知ろう!」という視点に立って目の前の相手とコミュニケーションをスタートすることにより効果的なコミュニケーションが実現できます。

医学部受験を成功に導く理想的な親のポジショニングとは

こんにちは。Current・R 宮地理津子です。

今年もカレントペアレンツセミナーの季節になりました。

毎年、秋に開催しているこのセミナーは、医学部受験を目指しているお子様をお持ちの親御さんに向けたセミナーです。

第1回目の内容は、”受験を成功に導く理想的な親のポジショニング”。

テーマは、ヘルプ→サポートです。

これは、親子間のコミュニケーションの基盤・土台になる関係性でもあります。

特に、大学受験ともなると、子供の夢の実現に向けて、親ができることはそれをただただあたたかくサポートすることのみです。

その中でも私たち親にできる最強のサポートはビジョンメイキングのサポートです。

ビジョンメイキングとは、頭の中でふんわり描いている ”こうであると良いな”、”こんな風になりたいな”を視覚化・文章化して一枚の絵のようにはっきりさせていく作業です。

夢とは「思い」、ビジョンとは「構想」、この構想があって始めて目標設定が可能となります。

今日のセミナーでも実施したワークの中から、家庭でも親御さんが名コーチとなってビジョンメイキングをサポートできる5ステップ質問のフレーズを紹介します。

 

□ あなたの夢、実現したいことは何ですか?

□ なぜ、それをやりたいの?・なりたいの?

□ それが達成、実現できると、どんなよいことがある?(自分の気持ち・出来事・ 周りへのよい影響)

□ 行動/環境に何をプラスすればそれに近づける?

□ 一歩だけ前に進むために今日できることは?

 

よい結果はよい質問から!

受験期のこの時期、秋の気配が感じるこの頃はどうしても焦りや不安を感じことがありますが、そのような時こそこのビジョンメイキングの質問を問いかけることによって”やる気”のエネルギーを充電できる可能性が大です!!!

 

 

 

今、医療界が求めるコミュニケーションとは!

先日、福井の嶺北に位置する福井赤十字病院にてセミナーを行いました。初めて訪れた福井県!お天気にも仲間にも恵まれ、福井の素晴らしさを最高レベルで満喫。

今日のとてもお伝えしたいメッセージは、このセミナーで副題にした、〜今、医療界で求められるコミュニケーションとは〜です。

それは、ズバリ! 患者さまの持つ「物語」を大切にすること。です。

どの医療現場でも、NBM(Narrative-based Medicine)-物語と対話による医療を推進する動きがありますが、実際の日々の現場では残念ながら “忙しい” “マンパワーが不足” “コミュニケーションにストレスを感じる”などの理由でなかなか患者さまの「物語」をじっくりと聴くことができない先生が多いのではないでしょうか。

もちろん、良質な医療を提供するには、まずはEBM(Evidence-based Medicine)-根拠に基づいた医療を実践することですが、本当の意味でのホスピタリティあふれる医療現場を実現するには、EBMにプラス、患者さまの「物語」をいかに上手く的確に聴いて治療にドッキングしてあげられるかが重要です。

 そして、患者さまの「物語」を効果的に聴けるファーストステップは、「問診」です。

 

問診で交わされる対話の中には、その患者さまが大切にしている価値観や意向、思いなどがたくさん含まれているはずです。言わば、NBMを実現させるための宝の宝庫なのです。

「問診」を単なる既往歴や現状などの確認レベルから、患者さんの「物語」も合わせて聴かせてもらうレベルに引き上げられると先生と患者さまの距離感は一気に近くなり、相手と良好な関係性が築きやすくなります。

 

医療の効果性においても、あるデータではEBMの有効率は60~90%! ということは、有効でない患者さまが40~10%%存在することになります。

 

多くの患者さまに先生のファンになっていただくためにも、「問診」での患者さまとのコミュニケーションの在り方を「物語」に意識を向けて、対話と信頼関係にフォーカスしてみてください。

これこそが、今、医療界で求められるコミュニケーションの在り方でもあります。