美しさを意識した所作

こんにちは。
CURRENT・Rの山藤裕子です。

 

美しく、正しい立居振舞は患者さまにとっては自分自身が感じている以上に“信頼感のメッセージ”として伝わります。

院長先生のクリニックでは、美しい所作を身につけているスタッフの方はどのくらい、いらっしゃいますか?

 

今回は異業種から「美しさを意識した所作」を参考に、歯科医院のシーンではどのように応用できるかをお伝えします。

 

以前、CAの方の訓練をテレビ番組で取り上げていました。
やはりお手本となる美しい所作は、厳しい訓練の賜物ではないでしょうか。

 

CA:<機内アナウンス訓練>
・お客様が目の前にいらっしゃるので、語りかけるように感情を込めて言う
・手足をきちんと揃えて立つ
・マイク(受話器)を持つ手を美しく
・常に見られていることを忘れず、アナウンスと同時に美しさも意識する

 

✽歯科医院では

シーン⇒インカムで話す時、スタッフ同士の会話、患者さまのアナウンス時

・常に患者さまに聞こえていることを忘れない
・ハッキリ聞こえるように滑舌よく言う
・スタッフ同士でも「です」「ます」で話す
・忙しい時でも落ち着いた口調を心がける
・常に見られていることを忘れず、作業と同時に美しさも意識する

 

CA:<ドリンクサービスの訓練>
・「ご旅行ですか?」「何泊でいらっしゃいますか?」「楽しいご旅行になるとよいですね」など話かけながらサービスする
・お客様より高い位置で入れると万が一揺れた時にこぼれてしまう為、できるだけ低い位置で入れる
・「どうぞごゆっくりお飲みください」という気持ちをこめてロゴをお客様に向けて出す
・ただドリンクを出すのだけでなく、細やかな気遣いをする

 

✽歯科医院では

シーン⇒保険証・診察カード・予診録等の授受

・患者さまの個人情報である大切な物です。両手で丁寧に取り扱いましょう

シーン⇒お待たせしている時

・「お待たせして申し訳ありません。次にお通しできますが、お時間は大丈夫ですか?」と、こちらから声をかける

シーン⇒アポイントがなかなか決まらない時

・パソコンの画面ばかり見ないで患者さまと目を合わせ“一緒に探します”という気持ちでアポイントを取る

・ただ業務をこなすだけでなく、患者さまに細やかな気遣いをする

 

 

トップ3%の歯科医院では、ただ業務をこなすだけでなく、“美しさを意識した所作”、“細やかな気遣い”が求められます。

今日から是非、現場で“美しさを意識した所作”を実践してください!

 

少しでも良い人材を採用するには?

こんにちは。CURRENT・Rの原 小百合です。
良い人材に少しでも長く働いてほしい。

これはどの院長先生も思っていることですよね。

 

さて、この春に迎えた新人さんと医院の相性はいかがでしょうか?

まだまだ職場に慣れてもらうのに精一杯な時期でしょうが、おそらく大まかな印象をお持ちかと思います。

 

採用面接はいわゆるお見合いのようなもの。

採用側、応募側もお互いの良い点に期待してスタートするのですが、本当の真価がわかるのはまさにこれから。

医院側も新規の採用者もお互いに「良かった」と思えるための秘訣ってあるのでしょうか?

 

先日とある研修会で、とても元気な衛生士Kさんにお会いしました。

衛生士学校を卒業して二年目、そして今のクリニックは二つめの勤務先。

つまり新卒で就職した医院を一年足らずで辞めてしまったということです。

 

「衛生士さんなかなか勤まらないって良く聞くけど、本当なんだなぁ。

Kさん、もしかして今の医院もすぐに辞めてしまったりして・・・」

 

私の老婆心をよそに、ご本人はとても明るい印象です。

不思議に思ってよくお話をすると、どうやら今の医院に就職して俄然やる気が高まったとのこと。

 

「実際の患者さまとのやり取りは教科書通りにいかないことも多くて、毎日猛烈に練習しています!!」

朝も早めに出勤して、自分の腕に磨きをかけているようです。

 

前の医院と何がそんなに違うの?

何が原因で自分から前向きに仕事をするようになったの?

歯科医院でチームづくりをお手伝いする私としては、とっても気になって質問してみました。

 

すると、

前の医院 :勤務スケジュールが自分の希望通りだったから選んだ。

今の医院 :医院の治療方針がこれから自分が進みたいことにピッタリだったので選んだ。

 

とのこと。

さらには、

前の院長先生:新卒で経験がない自分に技術力UPの支援がなくて大変だった。

今の院長先生:直接に歯科技術に関係のない【一社会人として必要なこと】に

ついても勉強を奨励してくれるのが心強い。

 

と、最初は高ポイントだった勤務スケジュールの都合の良さも、その後の

継続的な彼女のモチベーションにはつながらなかったようです。

 

まさに今の医院との方が彼女との相性はいいようで、本人の満足度も高そうです。

(ちなみに、勤務スケジュールは今の医院は希望の形ではないけど気にならなくなったとのこと)

 

医院とスタッフの相性、つまりマッチングについてはその重要性が最近は良く言われています。

お給料や立地条件が良いだけではなかなか良い採用ができずに、むしろ医院の方針やチームの雰囲気と

募集側の価値観の相性度合いがポイントになってきています。

 

今回のKさん、どうやって今の医院に出会ったかというと、

・前の医院を辞めて、次に働く時に大切にしたいことを衛生士学校の同級生A子さんに話した

・A子さんのクリニックの担当の技工所の方が

「それだったら○○クリニックが今、募集していますよ! あそこ、いつ行っても医院の雰囲気がいいですから。」

 

という、巡り巡っての口コミだったのです。

それもクリニックの内側に出入りされている業者の方の情報だけあって、

Kさんも「最初にお聞きした話と実際に働いてからのギャップがなくて安心しました」

と満足そうです。

 

私も思わず、「なるほどぉ~」と唸ってしまいました。

日頃のクリニックのありのままの様子が人づてに伝わって、良い人材が集まってくる。

 

決して一足飛びに結果につながるスキルではないかもしれませんが、

業者の方、スタッフ、患者さま問わずに自院のファンを募っていくことができると

関係する方がそれぞれ「良かった」と思えることにつながりそうです。

 

やはり、長くて良いお付き合いには

「大切なことを共有できる」という相性の良さが大切ですね!

 

 

あいさつは、コミュニケーションの第一歩

こんにちは。CURRENT・Rの山藤裕子です。

 

新年度が始まり、新しい出会いの季節ですね。
院長先生のクリニックにも新人のスタッフが入ってくる頃でしょうか?

 

新しい業務を覚えること、スタッフ同士の人間関係のこと、初めてのことばかりで緊張されていることと思います。

 

そんな新人スタッフに最初に教える基本的なマナーは、何と言ってもまずは“あいさつ”です。

 

よく「人間関係はあいさつに始まり、あいさつに終わる」と言われます。
特に初対面のスタッフや患者さまとの人間関係を築く上でとても重要な役割を果たします。

 

あいさつには、
「その日を気持ちよくスタートするために」
「あなたに気づいています」
「よろしくお願いします」
というメッセージも込められています。

 

加えて、話をする時にいきなり用件を切り出すよりも
「おはようございます。昨日の〇〇の件ですが、今、よろしいですか?」と
先にあいさつをすることで、話のきっかけを作ってくれる役割も兼ねています。

 

業務が忙しく、用件だけの会話になりがちなスタッフ同士、また患者さまに対しても
あいさつの後にひと言付け加えることで、思いやりのあるあいさつになり、患者さまとの距離が近づくチャンスです。

 

たとえば、
例)
・来院時:
「こんにちは。前回の定期健診の後、6ヶ月が経ちましたがいかがでしたか?」

 

・新患の方に:
「こんにちは。初めてでいらっしゃいますね?」

 

・急患の方に:
「こんにちは。今日はいかがなさいましたか?」

 

・お見送り時:
「来週お待ちしております。お大事になさってください。」

 

トップ3%の歯科医院では、コミュニケーションシートを活用してお一人お一人の
患者さまとの会話を大切にしています。

 

新人のスタッフの方はまずは第一ステップとして、
・いつでも
・誰に対しても
・笑顔で
あいさつが出来るようにしましょう。

 

次に第ニステップは、
・あいさつの後に一言、付け加えてみましょう。

 

新人スタッフであっても、患者さまはクリニックの一員として見ています。

 

今日もさわやかな“あいさつ”で患者さまと、またクリニックのスタッフと
コミュニケーションの第一歩を踏み出してください!!

 

 

 

社会人基礎力を磨いてクリニックを強くする<Part2 チームワーク>

皆さん、こんにちは。
CURRENT・R株式会社の原 小百合です。

新年度となり、クリニックに新人さんを迎えた先生も多いと思います。
新人さん本人だけでなく、お迎えするクリニック側もいろんな準備に追われますね。

ただでさえ忙しい現場のスケジュール、新しいメンバーにも環境に慣れて
早く一人で動けるようになってほしというのが本音かもしれません。

「何事も始めが肝心」と言いますが、
新人さんが加わったこの時期だからこそ今日はチームワークについて
考えてみたいと思います。

先日、このブログでもお伝えした、経済産業省が提唱する【社会人基礎力】には
「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)
が「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力として挙げられています。

http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/

今日はその中で、特に「チームで働く力(チームワーク)」に必要な「発信力」という要素に注目したいと思います。

このことに注目する理由は二つ
・チーム医療の観点から、より良い医療を提供するにあたってのチームの総合力が不可欠
・新メンバーがチームの一員としての認識が高まれば、指導面もスムーズになる
ということからです。

言葉で「チームワーク」というのは簡単ですが、
実はチームの総合力で医院を動かそうとすると最初はかなり面倒なことに直面します。

特に、院長先生がとてもハイパフォーマーで、治療だけでなく多方面にわたって
活躍している場合などは、先生が何にでも関わって解決してしまうケースがあります。

「スタッフに指示しても自分が思うように動いてもらえないから、だったら自分でやった方がいい」
先日、とある先生がこぼした呟きです。

もちろん、他のスタッフさんとは経験値が違いますので、
院長先生が指示することで上手くいくことが多いのは納得です。

そしてこの方法を続けていくと、医院が上手くいけばいくほど院長先生は忙しくなり続け、
同時に指示されないと動けないメンバーが増えていく
という望んでいない悪循環となります。

新しいメンバーを迎えたこの時期は、何かと新しいスタイルを導入しやすい時期でもあります。
このタイミングで、「チームで動く」ことに舵を切ってみてはいかがでしょう?

中でも院長先生以外の「発信力」をスタッフさんが発揮することが増えてくると
総合力UPにつながってきますよ。
例えば、指導や指示が得意な方、つい一方的に伝えるだけで終わってしまうことがあります。
確かに十分「発信」をしているのですが、
今回フォーカスしたいのは指示される側・指導される側の発信力を伸ばすことです。
そうすることで、お互いの現状や考えがわかりやすくなり、チームとしての風通しが良くなってきます。

ただ現実的には、これまでは指示されるだけで良かったスタッフさんに、ただやみくもに
「今後はみんなも自分の意見を発信するように」と言ってもなかなか変わりません。

どういうところから変化がつくれるのでしょう?

例えば、
いつものように指導や指示をした後に、
「で、○○さんとしてはどう思った?」
「どんな感想?」
「何が印象に残った?」

などの質問がスタッフさんが自分の意見を発信しやすいアプローチです。
ただ、「何か質問ありますか?」は往々にして「特にありません」で終わりやすいです(笑)

これまでは黙って指示を聞いていただけのスタッフさんも、一度匙を向けてみると
こんなこと考えていたのか! ということや、
先生よりも患者さま目線に近くて結構鋭い意見が出たりもします。

このようなことを研修でお伝えすると
「そんなに一々スタッフの意見を聞いていたら、みんな勝手に言い出して収集がつかなくなりませんか?」
という質問を頂くことがあります。

大丈夫です。
そもそも職場で全員の意見が全て均等に採用されるということは無いわけです。
最終の決定は今まで通りに院長先生かもしれません。
でもそのプロセスにチームメンバーの声が検討されたり、考慮する機会があることがポイントです。

もし、結論が決まっていることでもそのことを伝えられたスタッフさんがどう受け取っているかを知ることで
スムーズにすすめやすくなったりもします。
最後に、スタッフさんの発言に対するちょっとしたコメントを返すことも忘れずに!

「なるほど、そう思ったんだ」
「おっ、なかなかそれは鋭いですね」
「確かに、そういう部分もあるよね」

一方的に正解を伝えておしまい、ではなく受けとめ側の意見ももらうことで全体としての良い循環が生まれます。
この春に入局した新人さんに対しても、一言コメントの場をつくってここからのチーム力を高めっていって下さいね。

コミュニケーションの真髄を発見!

こんにちは。CURRENT・R 宮地 理津子です。

今日も、アボリジナル(オーストラリア先住民)の持つ神秘的な文明から発見したコミュニケーションにおいてとても大切なことをシェアしたいと思います。

 

前回もお伝えした通り、アボリジナルは驚くべきコミュニケーション手法を持っています。

 

私の大きな発見 その2は、

・コミュニケーションにおいて一番大切なものは「感じる力」と「感じ取る力」であるということ

・素晴らしいコミュニケーターは、この「感性」が突出しているのだということ

をアボリジナルの暮らし方から発見しました。

 

そして、彼らは大自然の中で生き抜いていくために地球のすべてのものとコミュニケーションが取れる感性を磨き続けています。

 

・空は何を伝えているのか?

・草花は何を感じているのか?

・岩は何を表しているのか?

 

このように、毎瞬毎瞬の変化から色・音・香り・温度を感じ取りそれを偉大な知恵として語り継いでいるのです。

 

感性を磨くとは、何も特別な体験や経験からだけではなく、日常にある出来事へ意識を向けるだけでも、様々なことをキャッチできる「感じる力」とそれを心にとめる「感じ取る力」をスキルアップすることができます。

 

 

「感性」=「感じる力」×「感じ取る力」

 

 

私はこの「感性」こそが、コミュニケーションの成果に大きな「ちがい」を生み出すキーワードであると思います。

 

特に日本は世界からみても、大変豊かで成熟した国です。サービス・物・情報・技術・知識などあらゆるものすべてが簡単に手に入れることができ、ここでの差異はつけづらくなっています。

この中で、人は何に対して価値を見出すかというと、その出来事の中から体験できる「ちがい」です。

 

医療コミュニケーションにおいても、自分自身の感性を磨くことが大切であり、「ちがい」を生み出す秘訣のようです。

 

 

・患者さまの気持ちを感じ取る

・表情や声を感じ取る

・求めているものの変化を感じ取る

 

 

このように、「感じる力」と「感じ取る力」に意識が向いて、相手と調和を保って繋がれるようなコミュニケーションこそが価値のあるコミュニケーションなのではないでしょうか。

 

究極のコミュニケーションのトレーニングとは、「感性」をスキルアップすることですね。